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理論化学 第1章

公開日: 2026-07-26 / 更新日: 2026-07-26 23:36:29

必修基礎編・第1章 理論化学

物質の成分・原子・周期表・分離・半減期

目次

  1. 物質の分類
  2. 単体・化合物・元素
  3. 同素体
  4. 混合物の分離・精製
  5. 電子配置と最外殻電子
  6. 周期表・原子半径・イオン半径
  7. イオン化エネルギー
  8. 放射性同位体と半減期

1. 物質の分類

物質は、まず純物質混合物に分ける。純物質はさらに、単体化合物に分かれる。

Point 1 物質の分類
物質 → 純物質(単体・化合物)/混合物
分類定義
純物質一定の融点・沸点をもち、1種類の物質からなる。酸素、水、二酸化炭素、塩化ナトリウム
混合物2種類以上の純物質が混じり合っている。空気、海水、石油、食塩水
添付問題の分類
化合物:エタノール C2H5OH、二酸化炭素 CO2、水 H2O
単体:オゾン O3
混合物:塩酸、石油

2. 単体・化合物・元素

Point 2 単体と化合物

単体:元素記号1種類だけで表すことができる物質。
化合物:元素記号2種類以上を用いて表す物質。

Point 3 単体と元素

単体:実際に存在する純物質を表す。
元素:物質を構成する基本的な成分を表す。

「元素」と「単体」の判定

表現意味
空気中に窒素が約78%含まれる。実在する N2 を指すので単体
過酸化水素は水素と酸素からできている。構成成分を指すので元素
骨や歯はカルシウムを含む。リン酸カルシウムなどの構成成分を指すので元素
アルミニウムは地殻中に多く存在する。金属単体ではなく、酸化物などの成分として存在するため元素

3. 同素体

同素体とは、同じ元素からなる単体でありながら、構造や性質が異なるもの。

Point 4 同素体は SCOP で覚える

S:硫黄 C:炭素 O:酸素 P:リン

元素主な同素体
硫黄 S斜方硫黄 S8、単斜硫黄 S8、ゴム状硫黄 Sn
炭素 Cダイヤモンド、黒鉛(グラファイト)、フラーレン、カーボンナノチューブ
酸素 O酸素 O2、オゾン O3
リン P赤リン P、黄リン P4

4. 混合物の分離・精製

分離は混合物を複数の成分に分ける操作、精製は目的物質の純度を高める操作。

Point 5 主な分離・精製法

ろ過/蒸留・分留/再結晶/昇華法/クロマトグラフィー/抽出

方法利用する性質典型例
ろ過液体を通すが固体粒子を通さない。砂と水。ろ紙上に砂が残る。
蒸留沸点の違い。液体混合物から特定成分を取り出す。
分留沸点の近い複数成分の違い。石油をガソリン・灯油などに分離。
再結晶温度による溶解度の差。不純物を含む結晶から純物質を得る。
昇華法固体から直接気体になる昇華性。塩化ナトリウムとナフタレンの分離。
クロマトグラフィー固定相への吸着のされやすさ、移動相への溶けやすさの差。インク中の複数色素を分離。
抽出溶媒への溶けやすさの差。緑葉をすりつぶし、溶媒でクロロフィルを溶かし出す。
クロマトグラフィーでは、ろ紙などに吸着しにくい成分ほど上まで移動する。

5. 電子配置と最外殻電子

電子は、原子核を中心とする空間である電子殻に配置される。内側から K殻、L殻、M殻、N殻…と呼ぶ。

電子殻に入る最大電子数

内側から n 番目の電子殻:最大電子数 = 2n²

電子殻n最大電子数
K殻12×1²=2
L殻22×2²=8
M殻32×3²=18
N殻42×4²=32

配置例

  • 酸素原子(8個):K殻2個、L殻6個。
  • 硫黄原子(16個):K殻2個、L殻8個、M殻6個。

最外殻電子は、最も外側の電子殻にある電子。酸素も硫黄も最外殻電子数は6個で、似た化学的性質を示す。

同じ最外殻電子数をもつ元素が周期的に現れるため、元素の周期律を合理的に説明できる。

6. 周期表・原子半径・イオン半径

周期表の基本

  • 横の行:周期。第1周期から第7周期まで。
  • 縦の列:
  • 1族元素のうち水素を除くもの:アルカリ金属
  • 元素記号の左下に示す番号:原子番号。中性原子では陽子数=電子数=原子番号。
  • メンデレーエフは当時知られていた約60元素を原子量順に並べ、周期律を発見した。
  • 原子量と原子番号の順が逆転する代表例:ArとK、CoとNi。

イオンになりやすさ

  • 2族元素:価電子2個を放出し、2価の陽イオンになりやすい。
  • 17族元素:電子1個を受け取り、1価の陰イオンになりやすい。
  • 18族元素(貴ガス):電子配置が安定し、イオンになりにくい。

原子半径

同族では下ほど大きい。
同一周期では右ほど小さい。

等電子配置のイオン半径

電子数が同じなら、原子番号が大きいほど陽子数が増えて核の引力が強くなり、半径は小さくなる。

O²⁻ > F⁻ > Na⁺ > Mg²⁺ > Al³⁺

7. イオン化エネルギー

イオン化エネルギーとは、気体状態の原子から電子1個を取り去り、1価の陽イオンにするために必要なエネルギー。

Point 11 イオン化エネルギーと周期的変化
同族で下へ原子番号↑ → 原子核から最外殻電子までの距離↑ → 引力↓ → イオン化エネルギー↓
同一周期で右へ原子番号↑ → 陽子数↑ → 引力↑ → イオン化エネルギー↑

同一周期では、一般にアルカリ金属が最小貴ガスが最大。全元素中ではヘリウムが最大。

覚え方:原子半径は「左下ほど大」、イオン化エネルギーは「右上ほど大」。ほぼ逆向きだ。

8. 放射性同位体と半減期

半減期とは、放射性同位体が壊変し、元の量の半分になるまでの時間。半減期は核種ごとに一定である。

Point 12 半減期

半分になるまでの時間は一定。

炭素14の半減期は約5730年、トリチウム(³H)の半減期は約12年。

初期量 1 → 5730年後 1/2 → 11460年後 (1/2)² → 17190年後 (1/2)³

残量 = 初期量 × (1/2)^(経過時間 ÷ 半減期)

β壊変

¹⁴₆C → ¹⁴₇N + β⁻(e⁻)

³₁H → ³₂He + β⁻(e⁻)

β⁻壊変では原子番号が1増えるが、質量数は変化しない。

炭素14による年代測定

  1. 宇宙線が大気中で中性子を生じる。
  2. 中性子が窒素14に衝突し、炭素14が生成する。
  3. 大気中では炭素14の生成量と壊変量がほぼ釣り合い、存在比がほぼ一定。
  4. 植物は光合成により炭素14を含む二酸化炭素を取り込む。
  5. 枯死後は取り込みが止まり、炭素14だけが壊変して減少する。
  6. 残存割合から枯死後の経過時間を推定する。
study/化学 化学 理論化学